脳卒中について

脳卒中とは、脳内の血管に異常が起こり、脳に血液が行き渡らなくなることで、脳の一部が損傷を受ける病気のことを指します。脳卒中には大きく分けて、脳梗塞と脳出血の2種類があります。脳梗塞は、脳血管が詰まって血流が止まることで脳内に酸素や栄養が行き渡らなくなる病気です。一方、脳出血は、脳内の血管が破裂して出血し、脳の一部が圧迫されることで損傷を受ける病気です。脳卒中は、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などの生活習慣病や、心房細動などの心臓病、脳動脈瘤や脳動静脈奇形などの脳血管疾患などが原因となることがあります。脳卒中は、発症した場合、早期の治療が重要です。治療法には、薬物療法や手術療法、リハビリテーションなどがあります。また、予防としては、生活習慣の改善や、薬物療法、手術療法などが行われます。


初期症状

脳出血の初期症状には、以下のようなものが挙げられます。


突然の頭痛

まるで「雷が落ちたような頭痛」を感じる人が多く、一般的な頭痛とは異なる痛みを感じることがあります。


吐き気や嘔吐

突然の頭痛に加えて、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。


意識障害

意識が混濁したり、眠気が強くなることがあります。意識が薄れたり、意識を失うこともあります。


視覚障害

目の前がぼやけたり、二重視になったりすることがあります。


言語障害

言葉を話すことができなくなったり、言葉が出にくくなることがあります。


麻痺・片麻痺

腕や手、足の片方が麻痺することがあります。また、歩行困難になることもあります。これらの症状が突然現れた場合は、脳出血の可能性がありますので、速やかに救急医療機関を受診することが重要です。脳出血は、時間とともに症状が悪化することがあるため、早期発見・早期治療が重要となります。


死亡率は何%

脳卒中の死亡率は、患者の状態や治療法によって異なりますが、一般的には20%から30%程度とされています。ただし、脳卒中の種類や原因、年齢、性別、合併症などによって、死亡率には差があります。たとえば、脳梗塞の場合、発症してから1か月以内の死亡率は、全体の約10%から20%程度とされています。一方、脳出血の場合は、死亡率が高く、全体の約30%から40%程度とされています。また、高齢者や重症の患者では死亡率が高くなる傾向があります。しかし、早期発見・早期治療を行うことで、死亡率を下げることができます。脳卒中の症状が現れた場合は、速やかに救急医療機関を受診することが大切です。また、予防としては、生活習慣の改善や定期的な健康診断などが重要です。


原因

脳卒中には、主に2つの原因があります。ひとつは脳梗塞、もうひとつは脳出血です。


脳梗塞

脳梗塞は、脳内の血管が詰まって血流が途絶え、脳細胞が死滅する病気です。血管が詰まる原因として、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などの生活習慣病が挙げられます。


脳出血

脳出血は、脳内の血管が破裂して、脳内に血液が流れ込んで脳圧が上昇する病気です。血管が破裂する原因として、高血圧、動脈瘤、脳腫瘍などが挙げられます。これらの病気は、一般的に生活習慣病や加齢が原因となることが多く、過度な飲酒やストレス、過剰な食塩摂取などの生活習慣が原因となることもあります。また、遺伝的な要因や心臓病、血液疾患などが関連することもあります。脳卒中の発症を予防するためには、生活習慣の改善や定期的な健康診断などが重要です。また、発症した場合には、速やかに救急医療機関を受診することが重要です。


何歳に多い

脳卒中は、加齢に伴って発症率が高くなる病気です。一般的には、40歳以上の中高年層に多くみられます。特に、60歳以上になると発症率が急激に上昇する傾向があります。ただし、最近では若年層でも脳卒中の発症が増えています。これは、ストレスや過労、不規則な生活、肥満や高血圧などの生活習慣病が原因となることが多く、若年層でも予防に努める必要があるとされています。また、男女別の発症率については、男性よりも女性の方が多い傾向があります。これは、女性には更年期に伴うホルモンバランスの変化や妊娠・出産・子宮筋腫の手術など、特有のリスクファクターがあるためとされています。一般的に、健康的な生活習慣を守り、適度な運動やバランスの良い食生活を心がけ、定期的な健康診断を受けることで、脳卒中の予防につながります。


どのくらいで治る

脳卒中の治療期間は、個人差や症状の重症度によって異なります。軽症の場合は、数週間から数か月程度で完全に回復する場合もありますが、重症の場合は、回復に長期間を要する場合があります。脳卒中の治療には、急性期治療と回復期治療の2つがあります。急性期治療では、薬物療法や手術によって症状を改善することが目的です。回復期治療では、理学療法や作業療法、言語療法などのリハビリテーションが主な治療法となります。回復期治療においては、患者の症状や身体機能、生活機能に合わせて、個別にリハビリテーション計画が立てられます。継続的なリハビリテーションや、患者本人や家族の協力が必要です。回復のペースは人それぞれですが、長期的な治療と取り組みが必要です。


まとめ

今回は、脳卒中についてご紹介させて頂きました。